ShopifyとShopify Plus、どちらを導入するべき?
ShopifyとShopify Plusの徹底比較
最適なECプラットフォームを選ぶためには、プランや機能、システム連携など、さまざまな要素を検討しなければなりません。
Shopifyは、専門的な開発スキルがなくても簡単にオンラインストアを開設できるECプラットフォームですが、現実はそう簡単にはいかないものです。Shopifyにはさまざまなプランが用意されており、通常版よりも多くの機能を備えたShopify Plusも提供しています。2つの違いは主に技術面にありますが、どちらがご自身のビジネスにより適しているのか判断に迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ShopifyとShopify Plusの違いについて説明しながら、どちらを選ぶのがベストなのか、選択基準をご紹介いたします。
ビジネスの規模はどのくらいか
売上規模と訪問者数から考える
ShopifyとShopify Plusのどちらかで迷ったら、まずはご自身のビジネスの規模に合った方を選びましょう。
Shopifyの通常プランは「ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」に分かれており、オンラインストアの種類や規模によってプランを選択できます。中小規模のビジネスに適しており、規模によって月額29ドルから299ドルまで料金設定が異なります。
通常プランの拡張版として提供されているのがShopify Plusで、価格や機能も大企業向けの内容となっています。
Shopify Plusは、月間売上高が80万ドル未満の場合は月額2,000ドル、80万ドルを超える場合は月間売上高の0.25%と、かなり高額な料金設定になっています。小規模ビジネスの場合は、まずはお手頃な通常プランからご利用いただく場合が多いですが、Shopify Plusには通常版にはないさまざまなメリットが付いています。
通常プランでは、スタッフアカウントを2個から15個まで作成することが可能です。それで足りなければ、Shopify Plusにアップグレードすることで、アカウントを無制限に作成できるようになります。
Shopify Plusには「組織の管理画面」機能があり、複数のストアを一元的に管理することができます。「組織の管理画面」からは、ストア分析やリアルタイムのパフォーマンス分析、ユーザーやストアの管理が可能です。
「Shopify Flow」は、ストア内のさまざまなタスクを自動化できる機能で、ワークフローの効率化に役立ちます。
さらなる拡張機能として、Shopify Plusでは、通常版よりもAPIのレート制限を緩和しています。ストアのパフォーマンスを高めることで、大量のトラフィックやトランザクションにも対応できるオンラインストアを実現できます。
選定ポイント:
- 一般的に、月間売上高が100万ドル未満で、大量のトラフィックが発生しないビジネスの場合は、通常プランで十分です。
- 月間売上高が100万ドル以上で、大量のトラフィックが発生するビジネスであり、運用チームの規模が大きい場合はShopify Plusをおすすめします。
複数の国や地域において出品しているか
出品しているマーケット数から考える
「Shopifyペイメント」はすべてのプランで利用でき、多様なオンライン決済手段に対応しています。この機能によって、複数の国や地域での販売が可能になりますが、Shopify Plusでは、より広範囲なマーケットにおいて複数通貨での取引が可能になります。
Shopify Plusをご利用いただくと、「組織の管理画面」から、追加料金なしで9つまでストアを作成することができます。
複雑な言語設定に悩まされることなく、各国のマーケットに合わせた専用ストアを作成し、ローカライズされたコンテンツやデザイン、ディスカウント情報などの設定を自由に行えます。
Shopify Plusパートナーである当社では、特定のマーケットに適したストアデザインの構築および編集をサポートしています。
Kusmi Teaのオンラインストアの日本市場向けローカライゼーションサポート事例はこちらからご覧いただけます。
選定ポイント:
- 2カ国でのみの販売をお考えで、ストアデザインをローカライズする必要がない場合は、通常プランで2つのストアを別々に管理するのがおすすめです。
- 2カ国以上の国での販売を検討しており、ストアデザインの大幅なローカライゼーションや卸売チャネルが必要な場合は、Shopify Plusが適しています。
どの程度のカスタマイズが必要か
Shopifyは、専門知識がなくても誰でも手軽にオンラインストアを構築できるサービスですが、いくつか注意すべき制限があります。
チームに十分なリソースがあり、商品選びから配送までのブランド体験を強化したい場合はShopify Plusへの移行をおすすめします。チェックアウト画面や機能面のカスタマイズはShopify Plusでのみ利用可能です。
Shopify Plusでは、メインページのデザインやレイアウトのカスタマイズだけでなく、プログレストラッカーやカスタムフィールドなど、便利なツールを導入することもできます。また、「Shopifyスクリプト」を使用することで、配送方法の追加や自動ディスカウントの設定(一つ買うともう一つ無料など)、外部APIとの連携なども可能になります。
さらに、Shopify Plusは「Shopify POS Pro」や「Script Editor」などの専用アプリを提供しており、より簡単なカスタマイズを可能にします。そのほか、卸売の購入者に異なる価格を提示できる拡張機能「卸売チャネル」や、セールや商品リリースなどのイベントの自動化や管理を簡単に行える「Launchpad」などの機能も搭載しています。
また、上述した「Shopify Flow」は、タスクの自動化以外にも、PIMやERP、CRMなどの既存のプラットフォームとのシームレスな連携も可能にします。
選定ポイント:
- チェックアウトやキャンペーンなどの複雑なカスタマイズを行わず、在庫管理システムやCRMとの自動連携を必要としない場合は、通常プランで十分です。
- 在庫管理やマーケティングキャンペーンなど、処理に時間がかかるタスクを実行したい場合や、ブランド体験を強化したい場合は、Shopify Plusが適しています。
サポート体制の充実度
Shopify Plusは大企業を対象としたサービスであるため、サポート体制も非常に充実しています。
「Merchant Success Program」は、Shopify Plusをご利用のお客様向けに、最高品質のサポートやアドバイスを提供するサービスです。24時間年中無休の優先サポート体制をはじめ、個々のビジネスに適した戦略策定やスケーラビリティに関する相談のほか、トレーニングやコンサルティングなども提供しています。
Shopifyはすべてのユーザーに対してさまざまな手段でサポートを提供しています。「Shopify Experts」や、当社をはじめとする「Shopify Partner」にご相談いただければ、ストアの構築を支援する「Launch Engineer」を派遣いたします。「Launch Engineer」はお客様専属のエキスパートで、 オンラインストアの立ち上げから移行、サードパーティアプリとの連携まで、一連のストア構築およびオンボーディングプロセスを支援します。
特徴と価格の比較
以上、プラン選定のヒントとなり得るいくつかの検討事項を紹介いたしました。これらの点を踏まえて、ご自身のビジネスに最適なプランを選びましょう。専門的な内容も含まれていたため、開発バックグラウンドをお持ちでない方にはわかりづらい点があったかもしれません。
以下の表に、Shopifyの通常プランとShopify Plusの主な機能と価格をまとめました。
まとめ
ShopifyとShopify Plus、どちらがより適しているのかはビジネスによって異なり、明確な回答がありません。上記に挙げた点以上にさまざまな要素を検討する必要があり、すぐには答えが出ないかもしれませんが、この記事が少しでも選定の参考になれば幸いです。
どのプランにしようかお悩みの方も、すでにお決まりの方も、ぜひ一度Shopify Plusパートナーである当社にご相談ください。プランの選定からShopifyストアの立ち上げまで、迅速丁寧にサポートいたします。